事業報告書

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1.ディーラーの経営体質改善の推進
1)環境変化に対応したディーラー経営の方向性の検討
  1. 乗用車の中・長期市場の見通しとディーラー・ビジョンの検討と提言
    1. 本年度のディーラー・ビジョンでは、“中長期市場の見通し”で、エコカー減税・補助金の総括を行った上で、中長期の保有、販売台数を見通し、“次世代エコカー普及の将来像とディーラーの役割の展望”では、今後のエコカー普及についての考え方や普及パターンの予測及びディーラー経営への影響について触れ、次世代の車社会におけるディーラーの役割について展望した。最終章では、3月11日に起きた東日本大震災に関する緊急アンケート結果を基に、その影響と今後の対策について取りまとめた。本ビジョンは、流通委員会、自動車流通問題研究部会で検討を行い、会員代表者ブロック懇談会において報告のうえ、会員ディーラーに配布した。
  2. 大型車の当面の新車需要見通しとディーラー・ビジョンの検討と提言
    1. 昨年に続き「自動車ディーラー・ビジョン(大型車店編)」を作成した。本年度のビジョンでは、“大型車市場を取り巻く環境と今後の市場見通し”で、最近の市場動向や東日本大震災の影響等について総合的な分析、見通しを行い、“大型車ユーザーの動向”では、大型車ユーザーにアンケートを実施し、新車の購入・調達先、ディーラー・大手整備専業者等に対するユーザーのイメージ、今後利用したいサービス、トラック輸送業界が抱える経営課題や問題意識等について調査を行った。また“他業界の事例分析”では、業界構造が類似しているITシステム業界を分析し、これら各章で得られたメッセージから「今後の大型車販売業界のあるべき姿」として取りまとめた。本ビジョンは、大型バス・トラック委員会、大型車部会で検討を行い、会員代表者ブロック懇談会において報告のうえ、大型車会員ディーラーに配布した。
  3. 自動車ディーラー経営状況調査の実施
    1. 毎年実施している、「自動車ディーラー経営状況調査(平成23年3月期)」(第64回)、及び「収益状況調査(平成23年4~9月期)」(第58回)の調査では様々なデータ分析を行い、会員ディーラーに提供した。平成23年3月期の調査結果では、前年比較で、「全車種店総合」では減収増益で、車種店区分では「乗用車店」と「軽四併売店」が減収増益、「大型車店」と「輸入車店」が増収増益となった。また、平成23年4月~9月期の調査結果では、前年比較で、「全車種店総合」では減収減益となり、車種店区分では「乗用車店」と「軽四併売店」が減収減益、「大型車店」が減収増益、「輸入車店」が増収増益となった。
  4. 経営セミナーの開催
    1. 大阪地区1ヵ所での開催となり、同地区支部推薦講師による講演が行われた。会員代表者及び幹部社員121名(61社)が熱心に聴講した。開催日、講師、テーマは下記のとおり。平成23年8月5日(金)、(株)グランド・デザインズ 代表取締役社長 藤本篤史氏、「組織力底上げのための実践的マネジメント手法」
2)新車部門の諸施策の検討
  1. 経営の効率化・付加価値向上策等に関する定期調査の実施
    1. 本調査は、新車部門のみならず中古車部門やサービス部門など多岐にわたる項目を調査することから、本年より「経営の効率化・付加価値向上策等に関するアンケート」と名称を変更、回答社数は824社、回収率は73.2%であった。また、調査開始時期を5月上旬に早め、9月には「平成23年経営の効率化・付加価値向上策等に関するアンケート(乗用車店)」と題する報告書にまとめ、会員ディーラーに配布した。さらに、10月には本報告書を基にして作成した「平成23年版国内自動車販売の現状と課題」を一般向けに有償で販売した。
  2. その他流通問題についての取り組み
    1. (1)登録平準化の推進登録平準化の一環として、本年度も新車登録旬別比率調査を実施した。なお、平成22年1~12月の累計で下旬比率目標値の53%をクリアした10支部(青森、岩手、滋賀、秋田、沖縄、千葉、旭川、宮崎、大阪、岐阜)及び委員長推薦による改善努力支部(鳥取)を2月25日開催の第268回理事会で表彰した他、同調査による下位5支部に対しては、会長名で改善を要望した。(2)自社名義登録改善への対応平成16年1月より開始した本調査で、登録台数に占める自社名義登録台数の比率は、調査開始当初と比較して自社名義登録の抑止効果は窺えるものの、平成16年度全国実績3.7%に対し、平成23年度全国実績は3.1%と改善傾向が見られるものの、引き続き調査することとした。
3)中古車部門の諸課題への積極的対応
  1. 中古車市場におけるディーラーブランドの構築のための検討
    1. 本年度も、中古車部会委員により推薦された会員ディーラー5社に取材を行い、「中古車部門好事例集」を作成し、会員ディーラーに配布した。
  2. 関係団体との連携強化
    1. (1)(財)日本自動車査定協会の活動への参画査定技能の向上を目的に、(財)日本自動車査定協会が開催している査定士技能コンテストへの参加を支部・会員ディーラーに積極的に呼び掛け、適正査定の推進を図った。また、同協会開催の各委員会にも参画し、査定価格の適正化に努めた。(2)(社)自動車公正取引協議会の取り組みへの参画(社)自動車公正取引協議会が開催する各種部会や委員会に参加し、公取協規約に基づく諸問題について意見交換を行った。
4)サービス部門の諸課題への積極的対応
  1. 好事例集の作成
    1. 本年度は、サービス部会委員により推薦された会員ディーラー4社に取材を行い、「サービス部門好事例集」を作成し、会員ディーラーに配布した。
  2. 自動車点検整備推進運動への取り組み
    1. 国土交通省と、自販連をはじめとする自動車関係30団体からなる「自動車点検整備推進協議会」及び自動車関係14団体からなる「大型車の車輪脱落事故防止策に関わる啓発活動連絡会」は、本年も9~10月の2ヵ月間を強化月間として、「自動車点検整備推進運動」を実施した。
  3. 法令遵守の徹底
    1. 国土交通省及び自販連をはじめとする自動車関係33団体からなる「不正改造防止推進協議会」は、本年も6月を「不正改造排除強化月間」として活動した。
5)保険部門の充実強化
  1. 保険制度に関する損害保険業界との意見交換本年1月14日、20日に開催された「自動車損害賠償責任保険審議会(以下、自賠審)」において、(1)23年度損害率では、21年改定時の予定損害率をオーバーするものと想定され、現行基準料率では運用益での累計収支の赤字を補填できなくなるため、本年4月1日から損害保険料率算出機構が届け出た新料率を適用し、さらに負担の分散化を図るべく25年度も料率の引き上げを行うこと。また、(2)2段階での料率引き上げを行うに当たり、ユーザー負担軽減のため「損害保険会社等が経費削減に向けた取り組み方針を示すべき」との審議会での意見を受け、「付加保険料率の見直し」を行うこととなり、損保協会内に「自動車賠償責任保険付加率に関する合同委員会」を新設し、損害保険会社の社費・代理店手数料算出方法の内容を精査、検討し、平成24年1月開催予定の自賠審で中間報告を行うことの2点が決定された。これら2点について日本損害保険協会等と情報交換を行った。
  2. 保険部門の課題の把握と対応策の検討「自動車保険に関するユーザー意識の実態」を把握するため、自販連職員の知人、友人及び職員を対象にアンケート調査を実施した。有効回答数は3,100件強に上り、自動車保険の加入先選定理由や評価等、ユーザー意識の概要を取りまとめた。なお、来年度は保険部会を中心にアンケート結果を分析し、最終報告書の取りまとめを行い、今後のディーラー保険部門として取り組むべき諸課題を見出すこととしている。
2. ディーラー支援策の推進
1)税制・法制等に関する要望活動の推進本年の税制改正要望は、自動車ユーザー、特に世帯当たりの複数保有が常態化している地方ユーザーの負担の軽減、さらに空洞化対策や低迷する国内市場の縮小に歯止めをかける観点から、政府・与党等に対して自動車業界の総力を挙げた要望活動を実施した。要望内容は、(1)一般財源化されたことにより課税根拠を喪失した、自動車取得税及び自動車重量税の廃止、(2)国際的に見て極めて過重な自動車税の見直し、(3)「エコカー減税制度」終了後の適切な政策税制の導入など、自動車関係諸税の簡素・軽減の実現に向けた主張とした。これらを踏まえ、自動車業界の主張に理解のある国会議員や経済産業省及び国土交通省の政務三役に対して、積極的な要望活動を実施するとともに、地方から声をあげていくことが重要であることから、各支部においてもJAFや自動車総連などと連携し、民主党県連本部並びに地元の有力国会議員に対して要望活動を実施した。また、JAF並びに自動車関係団体で構成する「自動車税制改革フォーラム」と自動車総連が、過重な税負担の軽減を求める署名活動を実施した結果、フォーラム全体で436万名余の署名が集まり、こうした国民の声を携え、11月7日にはフォーラム団体と自動車総連による共同記者会見を開催した。さらに、愛知県をはじめ7県の知事が車体課税の是正を求める緊急声明を連名で出したほか、民主党税制調査会が重点要望に「自動車取得税、自動車重量税の廃止」を明記し政府に要望するなど、自動車業界の主張の合理性は示された。 こうした活動の結果、平成24年度税制改正大綱には、「自動車重量税の当分の間税率による上乗せ分の半分に相当する1500億円規模の負担軽減の実施」、「エコカー減税の3年間の継続及び拡充」と記載された。なお、検討事項として「自動車取得税及び自動車重量税については、『廃止、抜本的な見直しを強く求める』等とした平成24年度税制改正における与党の重点要望に沿って、国・地方を通じた関連税制のあり方の見直しを行い、安定的な財源を確保した上で、地方財政にも配慮しつつ、簡素化、負担の軽減、グリーン化の観点から見直しを行う」ことが決定した。 2)自動車登録制度等に係る規制緩和要望 昨年に引き続き、国土交通省主催の「自動車登録のあり方に関する検討会」に参画し、「自動車登録制度専門部会」で取りまとめた要望事項(封印制度の規制緩和やOSSの手続拡大等)について、意見具申を行った。 検討会での意見取りまとめを通じ、国交省として具体化に向けた検討を進めるべき当面の課題案として、(1)封印の委託先拡大、全国統一、(2)住基ネットワークの活用による手続の簡素化、(3)中間登録における活用を視野に入れたOSSの制度設計の3点が示された。 今後、要望事項の実現の方向性やスケジュールをフォローアップし、会員ディーラーに対して適時に情報提供していく。
3. OSSの利用促進に向けた積極的取り組み
1)OSS利用に向けた工程表に基づく利用促進策の推進
  1. 10都府県利用率100%化に向けた課題への対応と支部に対する支援
    1. 本年1年間のOSS利用率は、10都府県平均で49%となり、3月の東日本大震災で一時落ち込んだものの、夏以降急な回復をみせ、一部支部では月間の利用率が80%を超える等、各支部で飛躍的な伸びを示している。一方、国土交通省の工程表に示されているOSS100%化に向けた課題として、OSS申請未利用状況の具体的な阻害要因を洗い出すため、10月に「OSS申請未利用状況実態調査」を10都府県支部に対して実施した。結果概要から、OSS未利用の主な理由の約4割近くが自賠責関係で、身体障害者減免措置車両、福祉車両等地方税減免関係が約1割であった。全体の傾向として「制度、システム要因」が約6割を占め、その他「急な登録」等が各地区で2~3割程を占めた。一方、「ディーラーの理解不足」「OSS未対応、準備中」の多い地域も見られたが、当該要因については、今後、運用面の習熟、体制整備により解決が図れる事項と思われる。
  2. 地域拡大における課題の検討と未稼働地域への準備の支援
    1. 国が定めた24年度全国展開という目標は、震災の影響もあり、24年度中に47都道府県全てにOSSシステムを導入するのは難しい状況にある。こうした状況に鑑み、OSSを推進している国土交通省、総務省、警察庁で検討を行った結果、工程表の合意事項として、「24年度」は残したまま「24年度以降段階的に実施」という表現に変更された。今後の地域拡大に関して国土交通省では、地域連絡会や導入準備会の開催だけに留まらず、比較的体制の整っている地域、もしくはOSS導入に伴うメリットが生じ易い最も大きな地域への集中的な強い働きかけを考えている。自販連としても国土交通省との連携を図るとともに、当該地域への情報提供を積極的に行い、今後も継続的に各ブロック会議等の場で、OSSの現状報告、今後の動き等の支援を行う。
  3. 自販連システム機器更新への適切な対応
    1. 本年2月に国側と連携を図り自販連OSSサーバー機器の更新を行い、機能性能の向上確保と運用費の一部圧縮を実現した。今後も引き続き、ハード部分については維持運用コストの見直しを念頭に取り組んでいくが、他方ソフト部分の対応として、OSS開始時の黎明期に比べ利用件数が増大していることを勘案し、トラブル発生時の緊急対応策等をシステム業者と協議し、対応のルール化を図ることとした。
2)手続拡大に向けた課題の検討 国土交通省は、移転・変更・抹消登録手続き等拡大を行うに当たり、大きな変化を伴う事項であるため、24年度から予算要求をし、25年度に改修を行うといった2ヵ年度での対応を考えている。 なお、中間登録は新車新規とは状況も異なり、慎重に詳細を検討する必要があるため、今後、国土交通省との情報共有を図り、引き続き自販連として利便性を優先した意見具申を行う。 3)1)及び2)に係る諸課題への関係省庁との調整 本年7月「保管場所標章の受取方法の簡素化」について、国のOSS申請システム改修に対し、各支部ニーズに則した要請を適宜、国に報告の上、協議した。 また、国土交通省からの要請で「OSS申請手続についてのアンケート」を10都府県支部及び当該地区会員ディーラーにアンケート形式で実施し、現場の意見の反映に努めた。 その他、納付機能の改善として精算業務に関する納付操作の部分について検討を行った。
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